「鬼灯の冷徹(ほおずきのれいてつ)」は、日本の地獄を舞台にしたブラック・コメディ漫画、およびそれを原作とするアニメ作品です。
この作品は、そのユニークな世界観と、個性的なキャラクターたちによるシュールでユーモラスな「地獄の日常」が魅力です。
ストーリーと世界観
舞台は「日本の地獄」
物語の舞台は、広大で細かい部署に分かれた日本の地獄です。八大地獄と八寒地獄を合わせ、全部で二百七十二にも及ぶ部署があり、そこで亡者への責め苦や、地獄の運営といった膨大な事務作業が行われています。
人にとっての地獄、それは鬼にとっての日常である、という視点で描かれており、地獄の公務員たちが日々奮闘する姿がコミカルに描かれます。
主人公:鬼灯(ほおずき)
主人公は、地獄の最高責任者である閻魔大王(えんまだいおう)の第一補佐官を務める鬼灯(ほおずき)です。
冷徹でドSな鬼神
非常に優秀で仕事熱心ですが、冷徹かつドSな性格で、ミスをする上司の閻魔大王にも容赦なく厳しい態度をとります。
多忙な日々
地獄の巨大な組織を支える実質的なトップとして、亡者の管理、悪魔や神獣など他所の世界のキャラクターとの折衝、人事、トラブル対処など、膨大な業務を完璧にこなします。
趣味
金魚草(きんぎょそう)の育成や、動物相手の実験など、一見穏やかでありながらどこか危険な一面を持つ趣味があります。
ストーリーの特徴
ブラック・コメディと風刺
地獄という設定を活かし、現代社会の組織論や時事ネタ、歴史的・神話的な知識を織り交ぜた社会風刺やブラックな笑いが特徴です。
オムニバス形式
基本的に一話完結のオムニバス形式で、地獄の様々な部署や、登場人物の日常、過去のエピソードなどが描かれます。
多彩なゲストキャラ
日本の神話や御伽噺(おとぎばなし)の登場人物(桃太郎とそのお供の犬・猿・雉、かちかち山の兎・芥子など)や、中国の神獣(白澤)、海外の悪魔(サタンなど)なども多数出演し、鬼灯と絡むことで騒動を巻き起こします。
主な登場人物
鬼灯(ほおずき)
閻魔大王第一補佐官。冷静沈着でドS。地獄の全業務を取り仕切る実力者。
閻魔大王(えんまだいおう)
日本の地獄の王。巨体だが、心優しく人の良い性格。鬼灯にはいつも頭が上がらない。
白澤(はくたく)
中国の神獣。薬の知識に長け、極楽の桃源郷で薬屋を営む。女好きで、鬼灯とは犬猿の仲。
桃太郎(ももたろう)
御伽噺の英雄。現代では桃源郷で白澤の下で働く(時々バイト)。
唐瓜(とうり)&茄子(なす)
地獄の新人獄卒コンビ。唐瓜は真面目だが、茄子は奔放で芸術家肌。
お香(おこう)
衆合地獄主任補佐。美しく仕事もできる鬼灯の幼馴染。
アニメ化と反響
2014年にTVアニメ第壱期が放送されて以降、高い人気を博し、第弐期まで制作されました。
豪華声優陣
主人公の鬼灯役を安元洋貴さん、閻魔大王役を長嶝高士さんなど、豪華な声優陣が個性的なキャラクターたちに命を吹き込み、作品の魅力を高めています。
高い人気
その人気から、OADの制作や、舞台化、コラボレーション企画など、多方面に展開されています。
「鬼灯の冷徹」は、地獄という題材を扱いながらも、どこか憎めないキャラクターたちの「わりかし楽しげ地獄DAYS」が楽しめる、コミカルで知的な作品です。


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