『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』（通称：攻殻S.A.C.）は、士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』を原作としたSFテレビアニメシリーズです。
近未来のサイバーパンクな世界を舞台に、政府の秘密組織である「公安9課」の活躍を描いています。
1. 概要
項目 詳細
原作 士郎正宗『攻殻機動隊』
監督・脚本 神山健治
音楽 菅野よう子
制作 Production I.G
放送開始 2002年10月（第1作目）
シリーズ構成 全26話で構成され、「複合（Complex）エピソード」と「独立（Stand Alone）エピソード」が組み合わされています。
2. ストーリーとテーマ
西暦2030年、電脳化技術や義体（サイボーグ化された身体）が一般化した世界で、情報ネットワークの発達に伴い巧妙化する電脳犯罪に対処するため、内務省直属の独立部隊「公安9課」、通称「攻殻機動隊」が設立されました。
複合エピソード（Complex）：「笑い男事件」
第1作『STAND ALONE COMPLEX』の軸となる長編のストーリーです。
あらすじ：6年前に、大手マイクロマシンメーカーの社長が誘拐された事件。犯人は自身の顔をシンボルマークで隠し、「笑い男」と呼ばれました。この事件は未解決のまま時効を迎えようとしていましたが、公安9課は「笑い男」を名乗る模倣犯の出現をきっかけに、事件の真相と、その背後に隠された巨大な企業の陰謀と政治的な腐敗を追うことになります。
「STAND ALONE COMPLEX」の意味：特定のリーダーや指示役がいないにもかかわらず、多くの人々が模倣犯として自律的に活動する現象を指し、現代の情報社会における個人の自立と集団の無意識的な結合というテーマを象徴しています。
独立エピソード（Stand Alone）
電脳化社会における様々な社会問題や、公安9課のメンバーそれぞれの日常や過去に関わる単発のエピソードで構成されています。
3. 主要登場人物（公安9課）
草薙 素子（くさなぎ もとこ）：通称「少佐」。全身義体のサイボーグで、9課の現場指揮官兼実質的なリーダー。卓越した戦闘能力とハッキングスキルを持ちます。
荒巻 大輔（あらまき だいすけ）：9課の課長。優れた政治的手腕と豊富な人脈で、9課を裏から支える存在。
バトー：元レンジャーの全身義体。抜群の身体能力と戦闘力を持つ、素子の相棒的存在。タチコマたちに特に慕われています。
トグサ：元刑事で、メンバーの中で最も生身に近い体を持つ。素子にスカウトされ、9課の「人間性」の象徴として描かれます。
イシカワ、サイトー、パズ、ボーマ：それぞれ情報戦、狙撃、内偵などのエキスパートである課のメンバー。
タチコマ：9課が所有する多脚思考戦車。高い人工知能を持ち、メンバー（特にバトー）との交流を通して成長していく重要なキャラクターです。
このシリーズは、そのハードなアクションと、情報化社会、電脳化、人間の定義、テロリズム、AIの倫理といった哲学的なテーマを深く掘り下げたストーリーテリングが高く評価されています。
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